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パルソファン図鑑

連載コラムVol.1

手縫いと足踏みミシンで作る、戸塚のかばん屋。サトウトモヱ さん

戸塚の街に、手作りとオーガニックにこだわる、かばん職人がいます。

サトウトモヱさん。

戸塚パルソのカフェ&フラワーショップ「たねや」で、展示会「かばんの会」を開いたのが平成24年の8月。 サトウさんのいう、「緑の多いお洒落な空間で、メニューが自然志向の隠れ家的カフェ」が、いままで都心でしか開かれなかった「かばんの会」の会場となりました。

戸塚で生まれ育ち、地元にひときわ深い愛着を持っているサトウさん。 彼女のコンセプトを活かすことの出来る場所が、地元に出来たことをとても喜んでいます。

○お店と、街が遊び場だった。

椅子職人のおじいさまの工房で、物心ついたときから遊んでいたというサトウさん。 布や革などの椅子の材料をしまう戸棚が、彼女の冒険の舞台でした。 友達と駅前にまで出られるようになると、舞台は商店街に広がります。 商店街の並びから、謎の道を発見しては迷い込み、くねくねした道、でこぼこの道の中で、彼女は新しい何かを発見します。時々、足を取られて転んでも、必ず助けてくれる人達のいた場所で、彼女の好奇心は大きく広がって行きます。

そのうちに、夏には行きつけのかき氷やさんを目指すことが大きな楽しみになり、お気に入りのドーナツのこと、鉛筆のキャップの品揃えはどこの店が良い、そんな会話で友達と盛り上がる時期を過ごします。そのころ楽器店で買ったハーモニカは、いまだにサトウさんの宝物です。

サトウさんにとって、再開発が進んだ戸塚駅西口は、そんな思い出の舞台が消えていった寂しさと、新しい場所と出会えたうれしさが入り交じる空間になっています。

サトウトモヱさん

■かばん職人としての出発

職人のおじいさまの工房を遊び場にし、商店街を探検して育ったサトウトモヱさん。 やがて進学、就職の時期を迎えます。 サトウさんが最初に就職したのはインド資本の会社。その後の職場も、金融関係、NPOなど、環境問題や貧困など、社会問題に目を向けるきっかけとなる環境が多く、その影響を大きく受けました。 ただ、彼女に「ずっと会社員でいる」という選択肢はありませんでした。まわりの人たちが手に職を持つ職人だったり、家業を切り回したりする独立した事業主ばかりの環境だったためでしょうか。

サトウトモヱさん

布と革に囲まれてきたサトウさんは、それら素材を活かす道から、「かばん」を生業に選びます。 加工の為の道具は、椅子店にありました。まさに門前の小僧で、扱い方はわかります。 あとは全くの独学です。自分の感性を頼りに、布と革とで形を作ってゆきました。 わからないことがでてくると、浅草の職人さんや道具屋さんに聞き、さらには、かばんの街豊岡に取材して学んだりしました。

サトウトモヱさん

サトウトモヱさんは、屋号を「聞き鞄(ききかばん)」としました。 お客さまの希望や、使い方をじっくりと聞きながら、この世に一つだけのかばんをつくるという意思が込められています。 サトウさんは素材からの声も聞きます。材質の活かしどころをはかることもそう。海外のアンティーク素材からは、それにまつわるストーリーを大事に聞きます。

サトウトモヱさん

その点についていうと、日本の古布はストーリーを聞きにくいといいます。 古布は、収集、分別、流通の仕組みが完成していて、職人の手に渡ってくるときには商品としての顔だけになっている。 逆にいえばリサイクルのシステムが確立しているともいえるので、それは良いことなのだと考えることも出来ます。

サトウトモヱさん

ただ、アメリカなどのアンティークコットンは「誰が、どこで、どのように使った」ということがはっきりわかっていて、古物商も、それを話し伝えることにやりがいを感じているようなところがあるといいます。 サトウさんも、布たちがたどってきた物語を、次のお客さまにつなげてゆくことの方が得意なのでしょう。

サトウトモヱさん

■新たなステージを目指して

サトウトモヱさんのかばんは、全くのオーガニックな製法で作られています。 現代では、大量生産メーカーはもちろん、個人の職人でも効率化の為に化学薬品を使うのが普通です。革の扱いは難しいので、どんなに自然素材にこだわっても、合成糊くらいはどこも使っています。
サトウさんは、それすら使いません。仮止めはピンチ。あとは針と糸の勝負です。

サトウさんの作業はミシンも足踏み式のため、電力が必要ありません。
2011年の東日本大震災後、計画停電で混乱する中でも仕事ができることをありがたく感じたといいます。

サトウトモヱさん

丁度そのころ、サトウさんは合成糊を使わずにかばんを作ることに、様々な壁を感じていました。「状況を打開する為には、合成糊が使われる前からかばんが作られている、ヨーロッパで学ぶ必要がある」と調べるうち、ドイツの鞄工房Headwigを知ります。


独特の優しいフォルムに惹かれ、メールで連絡を取ってみると、工房のマイスターはクリスティンさんという女性。元モデルという、職人としては特異な経歴を持つ方でした。
クリスティンさんは、娘さんが学校で日本語を専攻し、自らも2009年にはマダムバタフライ(蝶々夫人)をテーマにファッションショーを開催した経験もある親日家だということがわかります。

サトウトモヱさん

何回かのメールのやり取りの後、サトウさんはドイツに向かいます。
2012年の春のことでした。
この時、サトウさんはミュンスターに滞在し、海外で初めてのかばんの会を行います。
クリスティンさんの工房はデュッセルドルフという街にありました。(2013年現在は、ハンブルグに拠点を移しています)
二人はたちまち意気投合します。彼女から手縫い技術の手ほどきを受け、サトウさんのかばんの製法も変わります。
サトウさんはもっと深く知りたいと、彼女に弟子入りを志願します。
「いいわよ、おいでなさい」
まずは2013年の夏、今度はもっと長く、Headwigの工房で修行することになりました。

サトウトモヱさん

いまや、ドイツでも12人しかいないという、手縫いのかばん製作者であるクリスティンさんとの出会いは、サトウさんをどんなステージに進めてくれるのでしょうか。

Headwig HP http://www.headwig.de/

---information---

サトウトモヱさん

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