戸塚パルソ通信@メール 第13号
戸塚宿を行く
新春特別号
戸塚大踏切デッキ完成記念箱根駅伝:絶対王者敗れる!運命の戸塚大踏切
平成26年1月18日(土)11:00より、戸塚大踏切デッキ完成記念式典が行われます。 戸塚に縁のある方なら「開かずの踏切」として知られた戸塚大踏切に、何かしら思い出があるかと思います。 新年恒例の箱根駅伝も、この戸塚大踏切が、ある演出を行いました。
○絶対王者日本大学。挑戦する新鋭専修大学。
時代は戦前にさかのぼります。
昭和14年の第20回大会。
当時、箱根駅伝に君臨していたのが日本大学でした。
第16回大会から第19回大会まで、前人未到の4連覇。しかも全てで往路復路を制す完全優勝という強さは、まさに「絶対王者」。
この絶対王者に挑んだのが、専修大学です。専修大学は当時、初参加からわずか6年の新鋭校でした。
前年の19回大会で総合2位であった専修大学は、ついに20回大会で往路優勝を果たし、日本大学の完全優勝を阻止します。
○絶対王者の猛追
復路出発時点での専修大学の貯金は13分26秒。 6区、7区と順調に貯金を維持した専修大学ですが、8区、日本大学の郷野喜一選手が区間新の快走を見せ、その差を一気に6分45秒に縮めます。 9区で、日大のたすきをつないだのは明地邦整選手。
その明地選手の行く手を阻んだのが戸塚大踏切でした。
目前を通り過ぎる横須賀線。
じりじりと時間が過ぎてゆきます。
踏切が開くのももどかしく、その快足を飛ばした明地選手は、そのロスにもかかわらず、トップ専修大学との差を1分15秒縮め、5分30秒差に追いすがります。
10区石田正巳選手も区間新記録をたたき出し、王者の意地を見せた日本大学は復路優勝を決めますが、万事休す。
1分47秒差で、専修大学の初優勝を許すのです。
箱根駅伝初参加から6年目での制覇は、平成4年に山梨学院大に並ばれますが、現在でも最短タイ記録となっています。
踏切でのタイムロスの時間はわかりません。
このとき、専修大学の9区を走った堀勇次選手は、21回大会では4区の走者として、1時間18分45秒の記録を残しています。日本大学・明地選手は、奇しくも19回大会で堀選手と同じ4区を走り、そちらの記録は1時間15分02秒でありました。
○その後の両校
日本大学は翌21回大会では見事復活優勝。戦争での中断を挟んで22回大会も優勝を飾るなど、現在に至るまで12回の箱根制覇を達成しています。これは堂々の歴代3位の記録です。
一方、専修大学の優勝は、この1回のみ。
戸塚大踏切のアシスト(監督談話wikipedia)によって、栄冠をつかんだ専修大学は、戸塚大踏切デッキが完成する平成26年の90回大会で、3年ぶりとなる、本大会出場を決めています。