戸塚パルソ通信@メール 第60号
戸塚宿を行く
vol.025
【食べてみた】戸塚宿名物うどん豆腐ってどんなもの?
うどんか、豆腐か。うどん豆腐とは?
○「謎の番付」東海道五十三次繁昌記
江戸時代の東海道各宿の名物を番付としてまとめた「東海道五十三次繁昌記」というものがあります。
江戸時代の『文化年間 京都叶屋板、東海道五十三次名物合』『天保年間 東海道宿村大概帳』などをもとに現代に編集されたもののようです。
番付だけあって東西の横綱から始まっています。
東の横綱が小田原。名物は「初鰹・外郎(ういろう)・提灯・櫛」となっていて、今でも名物として違和感がありません。西の横綱が熱田(宮宿)で、大根と七里の渡しが名物。これまた今に通じる名物です。そして、大関、関脇、と来て、東の小結が戸塚宿。戸塚といえば大橋か、それともお軽寛平の道行か、と思いますが、そこに書かれているのが「うどん豆腐」という不思議な文字。
○絶品だったらしい「うどん豆腐」
豆腐レシピの金字塔、「豆腐百珍」のトリを務める料理ということで期待が高まります。いったいどんな料理なのか?レシピにそって作ってみました。
1) 鍋を火にかけ「湯を最もよく湯玉の立つほど沸(たぎ)らしをき」グラグラに沸き立たせる。
湯玉の立つほど
2)切りたる豆腐をあみ杓子にてすくい、ひたしたるまでにて(あみ杓子の上でよく煮て)
煮てみました
3)温めきたる器へよそい、煮え湯を注ぎ入れ(温めた器へ盛ったら、別鍋で沸かしておいた熱湯を注ぐ)
特製出汁につけていただきます。
ただの長細い湯豆腐、というイメージが覆されるお味!
素早く芯まで火が通ったせいでしょうか。食感がモチモチとして、思った以上に「うどん」です。味は大豆の味が濃厚になったような気がします。一般的な湯豆腐だと、ここまでグラグラに熱したら、中にスが入ってしまいますが、それはありません。
現代の濃い味に慣れてしまったからか、「びっくりするほど美味い」という印象ではありませんが、上品でいながら、後を引くお味。江戸時代には熟練の料理人が作っていたのでしょうから、旅人が絶賛したとしても、納得いく気がします。
意外に簡単で、面白い「うどん豆腐」皆さんも一度試してはいかがでしょうか?