戸塚宿を行く(歴史探訪)

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戸塚パルソ通信@メール 第104号

戸塚宿を行く(歴史探訪)

vol044-1

柏尾川を見下ろす巨大古墳上矢部町富士山古墳(1)

※正福寺境内から富士山古墳を望む

●上矢部町富士山古墳

横浜新道の上矢部インターチェンジからすぐの位置に、「上矢部町富士山古墳」があります。

阿久和川と平戸永谷川が合流する場所であり、古代から交通の要衝であったことが窺われます。
富士山古墳を含む一帯は、周辺から一段高く、平野を見下ろす形になっていて、山城として用いるにも適した場所といえます。
富士山古墳の麓には「富士山 正福寺」という臨済宗のお寺がありますが、そちらの斜面は切り立った崖になっていて、車道が整備された今でも、徒歩で登るにはかなり苦労します。

上矢部長富士山古墳から、大量の埴輪が発掘されたのは、平成元年(1989)のこと。正福寺の反対側の、比較的緩やかな丘陵部分に濠が掘られ、その部分に大量の埴輪が設置されていたらしいことがわかっています。単純に考えて、防御力強化のための工事だったとするのが妥当ではないでしょうか。
これらの出土品は、直ちに横浜市の指定有形文化財となりました。
あまりにも大量の出土だったため、一通りの整理・研究が終わったのが、年号を飛び越えた令和になってから。
実に30年を要しました。
一区切りがついたことで、昨年には、改めて横浜市歴史博物館の「令和2年度横浜市指定登録文化財展」で公開されました。

さらに近づいて見上げると、立派な竹林です。

「富士山」の山号を掲げた、正福寺の山門

●上矢部町富士山古墳