戸塚宿を行く(歴史探訪)

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戸塚パルソ通信@メール 第128号

戸塚宿を行く(歴史探訪)

vol061-1

主要道をつなぐ横の道ほしのや道を歩く(1)

■ほしのや道と坂東三十三観音

※弘明寺の裏山から横浜市街を見渡す

「ほしのや道」は、神奈川県の名刹、弘明寺と星谷寺を結ぶ古道です。
この二つのお寺は、坂東三十三観音の札所になっています。

■坂東三十三観音

西国三十三観音霊場を手本に、あるいは対抗して創設されたと言われる、関東地方・三十三ヶ所の観音菩薩を祀るお寺を札所とする霊場巡りです。
三十三ヶ所のうち十ヶ寺が、花山法皇とご縁のある札所で、そこを元に構成されたという伝説があります。
花山法皇は平安時代の天皇・法皇で、2024年の大河ドラマ「光る君へ」にも登場するそうです。史実でも波瀾万丈な人生を歩まれた方で、その遺徳を偲んで、多くのお寺が尊崇していることでも知られます。
史実としては坂東三十三観音が整備されたのは鎌倉時代以降らしいので、平安時代中期の花山法皇が関わったことはないはずですが、それだけ花山法皇を慕い、ご利益を信じる人々が多かったのでしょう。

■ほしのや道の不思議

通常、札所巡りで、札所同士をつなぐ道は、順番通りになっているものですが、なぜかほしのや道は、8番札所の星谷寺と14番札所の弘明寺をつないでいます。
実は、坂東三十三観音は1番から8番までは神奈川県ですが、9番がいきなり埼玉県の、それも秩父に近いときがわ町にまで飛ぶのです。
そのまま埼玉県を南下して、第13番でようやく浅草の浅草寺までくるのですが、そこから14番の弘明寺になったかと思うと、15番は急に群馬県に戻るのです。
札所巡りをする立場とすれば、このめぐり方はあまりにも負担が大きいと言わざるを得ません。そのため、9〜13をショートカットして、8番と14番を直結させのが、ほしのや道だったのではないでしょうか。

今回は、弘明寺から星谷寺を目指します。

■弘明寺

一説には横浜地域最古と言われる歴史あるお寺。ご本尊の十一面観音菩薩立像は国の重要文化財です。 弘明寺公式ホームページ

京急電鉄が平成13年に寄進した身代わり寺地蔵尊。弘明寺を「横浜の巣鴨」にしたいという思惑があったとか無かったとか。

本堂。堂々とした坂東十四番札所の看板です。

広々とした境内

歓喜天を祀る、聖天堂。

弘法大師を祀る大師堂。ガラス面から見えるのは閻魔様ですね。

境内のパワースポットと言われる七ツ石。7世紀のインド・マガダ国の王様にして高僧の善無畏三蔵が来日して、弘明寺の地を特別な場所と看破して、七つの石を配置して結界を張ったとか。

梵鐘。横浜市指定有形文化財。川崎大師の梵鐘と同じ職人の制作による。

京急の弘明寺駅。駅舎や線路は、弘明寺が用地を提供して作られました。

京急の踏切を超えて、ほしのや道、出発です。

■弘明寺